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2024/04/20 04:48 |
[Jacqueline Ess]
[ジャクリーン・エス with腐肉の晩餐]を読みきりました。今日届いたのに。
早速レビュー。
腐肉の晩餐:哲学を専攻するスティーヴは、恐怖やケモノを語るクウェードに会った……
一番この中で状況がつかみづらく、ちょっとダウンしそうでした。久々に読んだからかな?
スティーヴやシェリルはそれぞれ普通の人で、クウェードの狂気に巻き込まれてという感じです。『恐怖』がテーマなのですが、煽ること煽ること……。ただ人間が絶望してゆく様をまじまじと観察したところや、終わり方が凄く恐怖心を駆られます。
地獄の競技会:マラソンランナーのジョエルは、コーチであるキャメロンに言われ、チャリティーマラソンに参加することに……
ネタ的にはかなり聖書や神話を意識しております。その手のものが好きな方にはお勧めかもしれません。あとマラソンをやったことがある方にはわかる、あの仕草にも色々意味が。今でもサイクルが廻っていると思えば怖く感じますが、かなりソフトな話といえばソフトな話です。
ジャクリーン・エス:結婚して40近いジャクリーン。しかし彼女は……
タイトルにもなっておりますが、ジャクリーン・エスと言う方が生きた記録みたいです。この小説の中で一番エロティズム。ジャクリーンの思ったこととか、何が欲しかったのかとか、そういうのがなんとなくわかるとほろりと来るかもしれません。これは女性を虐げる男性にこそ読んで欲しいと思うのですが、女性でも少し読んで欲しいなぁ。あとグロ注意です。
父たちの皮膚:アリゾナで車を走らせていたデイヴィットソンは、砂漠でエンストするハメに……
出だしから中ごろまではとてもソフト、西洋劇を思い出させるものが有ります。ちょっと子供に虐待が? と思いきや、それは父親たちが、と言う感じです。愛情とかってなんだ、血って何だって云う本です。エンディングは怖め。ジャクリーン・エスと父たちの皮膚は両方とも、アバラットやウィーヴワールドに繋がる部分があると思うので、ファンタジー要素が強めです。
新・モルグ街の殺人:エドガー・アラン・ポーの元ネタを提供したものが大伯父だったルイスの身に、一報の電話が来た……
先にエドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』を読んでいると易しめです。読んでいなくても大丈夫です(私は読んでません/推理もの好きじゃないんです、わかんなくなるので)。よぼよぼおじいさんルイスの身に火の粉が、そしてそれを解決し奔走、と言う、何所となくゆるゆるとしたスピード感が有ります。新訳のような感じもわきますね。人間って? の部分をつかさどっているかもしれません。


まぁわたしはホラー物は怖くて読めない人なんですが、人間が怖いんだよ系のホラーならいくらでも、と言う感じの変な人間でして。こういうのはがんがんいけます。
書評(斜め読みした)の『出血大サービス』だの『スプラッタ』だのありますが、どちらかといえば、映画だったらスプラッタ要因を感じるかもしれないけど、そういうのよりももっと背後によっている感じに近いかもしれませんね。
逆にこれぐらいでスプラッタ? という感じもするかもしれない。

クライヴ・バーカーの初心者向きの本とも言いがたいです。確かに舞台は現代とか、ちょっと古くても西部開拓劇とかそこらへんを匂わせているのですが、哲学的な部分を秘めていたり、隠されたネタの部分とかもあるので、あまり初心者向きではないです。それこそ、独特の世界を築いているウィーヴワールドとか、アバラットの方が初心者向き(アバラットは文字の大きさも大きいので)ですね。
中級者向きではなく、空いた時間で読めるホラーだと思います。
逆に普通の日本文学に飽いたらオススメできます。私個人としては好きだけど、心臓弱い人は注意してね、とかいう注釈がつきそうなので。

さー次は[セルロイドの息子]を読むぞー!
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2009/07/04 23:16 | Comments(0) | TrackBack() | 本+レビュー

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